岡山県勝田郡勝央町愛育委員会主催の子育て講演会がこのほど、勝央文化ホールで開かれ、恵泉女学園大学(東京都)の大日向雅美学長が「母親ひとりの〝孤育て〟から、皆で支える〝子育ち〟へ」と題して講演した。
育児不安などを長年研究してきた見識から「これまで6000人余りの声を聞いたが、孤独な育児に悩む母親は多く、彼女たちはつかの間でもリフレッシュや自分の時間がほしい」と指摘。
子育てを地域で支えるため2003年以降、都内3カ所に開設し、NPOが運営する「子育てひろばあい・ぽーと」について紹介した。▽子育て仲間のふれあい▽一時保育▽支援員の人材養成―を柱に事業を展開。団塊世代のシニア男性を多数支援員にし、利用者に楽しみや安心感を与えていることを説明した。
「『いつでもあずかってもらえる場所があると心が軽くなる』との声もある。地域共生社会に向け、母親や父親の支えになるとともに、多くの人の生きがいにもなっている」と強調し、約60人が終始熱心に耳を傾けていた。