「日本の棚田百選」の一つ、岡山県久米郡美咲町の大垪和西地区の棚田で稲刈りが最盛期を迎え、山あいに響くコンバインのエンジン音がひと足早い秋の訪れを告げている。
地元の農業・北山昇さん方では4月末から5月初めに植えた「あきたこまち」と「コシヒカリ」が収穫期に。例年は8月末に稲刈りを始めるが、台風10号の影響で1週間ほど遅れて4日に行った。
厳しい残暑の中、作業を請け負うライスセンターのスタッフがコンバインを操縦し、一面黄金色に実った稲穂を刈り取った。山から流れる天然水の栄養をたっぷり含んで、おいしい“棚田米”に仕上がったという。
北山さんの長女の鈴鹿美紀恵さん(60)=同町久木=は「米不足の中、早くお米を消費者の食卓に届けることができれば。会社勤めをしながらの管理は大変だが、これからも棚田を守っていきたい」と話した。
標高約400メートルの山あいに大小約750枚の田が広がる同地区は、農林水産省の「つなぐ棚田遺産」にも選定。稲刈りは10月中旬まで行われるという。
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