岡山県久米郡中部霊場巡りが17日から20日まで行われ、お遍路さんが郡内の各札所を巡礼した。
明治時代に四国遍路がブームとなり、県北各地でも始まった霊場巡り。弘法大師が生まれた霊地・讃岐国の善通寺から1889(明治22)年に本尊を勧請し、今に受け継がれている。
白衣やすげ笠を身に着けたお遍路さん8人が津山市八社の巡禮堂を皮切りに、地元の人の接待を受けながら100数カ所の札所を巡拝。20日の最後に訪れた八社の小瀧堂では本尊の真言を唱えた後、広場で打ち止め行事があり、このお堂では25年ぶりとなる柴灯大護摩供を行った。
興禅寺=美咲町=の芝原秀法住職が導師となって厳かに儀式を執り行い、五穀豊穣(じょう)や家内安全、身体健全などを願い、護摩壇に点火。般若心経を唱え、燃え盛る炎に護摩がくべられた。
久米郡中部霊場会の松本登会長は「みなさんが幸せに暮らせるよう願いを込めた。県北で続くお遍路さんの伝統を大切に守っていきたい」と話していた。