客席からおひねり飛ぶ 江戸期から伝わる「横仙歌舞伎」 200人が地下芝居の魅力堪能/岡山・奈義町 

祭事・神事・法要
こども歌舞伎教室出身の高校生を中心に配役された「源平咲分牡丹牡重忠館の段」の一場面=岡山県奈義町で
         

 岡山県奈義町に江戸時代から伝わる「横仙歌舞伎」(県重要無形民俗文化財)の春季公演(町教委主催)が4月29日、同町豊沢の町文化センターで開かれ、町内外から訪れた愛好者ら約200人が地下(じげ)芝居の魅力を堪能した。

 

 横仙歌舞伎保存会と中島東松神座が出演した。保存会は「源平咲分牡丹牡重忠館の段」を上演し、こども歌舞伎教室出身の高校生を中心に配役。平清盛のひ孫にあたる六代君のけなげな姿、それをひそかにかくまう源氏の武将・畠山重忠など、それぞれの思いが行き交う緊張感漂う舞台を演じ切り、客席からおひねりが飛んだ。

 

 続いて住民有志でつくる松神座が「御所桜堀川夜討弁慶上使の段」を熱演。源義経の一番の家臣で怪力無双の僧兵・武蔵坊弁慶が主人公の一幕で、見せ場ごとに大きな拍手が送られ、ファンを沸かせた。

 

 瀬戸内市の石原弘通さん(83)は「よく稽古していて役者の立ち回り、三味線、語りの調和が素晴らしかった。若い人がよく頑張っていて、これからも町の伝統を守ってほしい」と話していた。

 

 松神神社で行う予定だったが、雨の影響で会場を変更した。


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