旧暦の端午の節句(10日)を前に8日、湯郷温泉=岡山県美作市=の旅館やホテルなど17施設でショウブ湯のサービスがあり、利用客たちがさわやかな香りに包まれて入浴を満喫した。
湯郷温泉観光協会(安東大志会長)が恒例で実施し、この日は1200本を用意。塩湯社での神事の後、元湯「鷺温泉館」では巫女(みこ)姿のサッカー女子なでしこリーグ2部・岡山湯郷ベルのMF・山下紗耶香選手とDF・村上夏奈瀬選手が、露天風呂に青々とした葉をそっと浮かべた。湯舟につかった人たちは「香りに癒される」「風情があっていい」とくつろいだ様子。
ショウブ湯は古来から中国で厄除けに用いた習慣が江戸時代に広まり、武士は「尚武」「勝負」に通じるとして武運長久を願った。葉には精油成分のアザロン、オイゲノールが含まれ、腰痛や神経痛を和らげる効果があるという。