津山信用金庫=岡山県津山市=は第34回「つしん景況レポート」を発表した。作州の今期(4〜6月)の景況天気図は「大雨」。業況判断DI(※メモ)はマイナス49.9(前期比46.3ポイント減)で2012年の調査開始以来最低水準となった。新型コロナウイルス感染症の影響が深刻化、長期化する見通しから、来期(7〜9月)も「大雨」、マイナス52.7と予想。
地域別DIの今期は、津山鏡野がマイナス47.8(同39.7ポイント減)、真庭がマイナス42.3(同48.1ポイント減)、美作勝央はマイナス62.3(同67.7ポイント減)といずれも前期を大幅に下回った。
業種別DIの今期は、前期比で上昇した業種は皆無で、サービス業、不動産業、小売業、卸売業、製造業、建設業とも大幅に下降した。
雇用判断DIは、マイナス15.3(前期マイナス41.2)と予想以上に改善し、来期も景況悪化による人手不足解消からマイナス19.7の予想。
調査先企業で、サービス業のうちバス業者からは「団体旅行がすべてキャンセルされ、売上がゼロ」、宿泊業者からは「県内外の予約は大幅減。国のGoToキャンペーンなど観光誘致策に期待している」、タクシー業者からは「外出自粛で通院や施設利用の回数を減らす利用者が多い」といった声。製造業のうち農業者からは「外出自粛で自炊する人が増え、スーパーへの直接販売が好調だった」、縫製業者からは「自社の技術を生かしてマスク生産を始めた結果、本業の売上減少分を一部カバーできた」、金属加工業者からは「人材不足だったが、都市部の大型工事延期で休業を余儀なくされ、今は人材過剰」との声もあった。
同レポートは、3カ月ごとに同信金職員が中小企業経営者から聞き取り調査して分析。今回は5月下旬〜6月上旬に254社を訪ねた。
メモ
【DI】「良い」と回答した企業数の割合(%)から、「悪い」と回答した企業数の割合(%)を差し引いた値。
つしん景況レポート/岡山・津山市
- 2020年7月17日
- 経済・産業