津山信用金庫(山下)は第44回「つしん景況レポート」を発表した。作州の今期(10〜12月)の景況天気図は「曇り」。業況判断DI(※メモ)はプラス6・6で、前期に比べて25・2㌽上昇した。来期(1〜3月)は、原材料や仕入価格の高騰などによる要因から悪化してマイナス5・3の「雨曇り」と予想。
地域別DIの今期は、津山鏡野がプラス10・0(前期比27・8㌽増)、真庭がプラス3・8(同29・8㌽増)、美作勝央がマイナス2・4(同9・8㌽増)といずれも改善。
業種別DIの今期は、製造業、建設業、不動産業、サービス業、小売業、卸売業のいずれも前期比で上昇している。
雇用判断DIは、マイナス41・4(前期マイナス35・9)と悪化し、来期はマイナス40・2の予想。
調査先企業のうち、食品製造業者からは「原材料や包装資材、燃料費も高騰したため、粗利率が5%近く悪化している」、小売業者からは「消費者はコロナ禍前のように旅行や外食にお金を使うようになり、巣ごもり需要で好調だったネット販売は大幅に減少している」、飲食店からは「コロナ禍による団体客の減少、仕入れ価格の高騰で資金繰りが厳しい上、コロナ融資の返済が始まるとさらに悪化する」、農業者からは「ハウス栽培での光熱費が例年の1・5〜2倍に跳ね上がり、収益を圧迫している」との窮状が聞かれた。一方、自動車部品製造業では「半導体は依然として不足しているが、世界的に供給体制は改善傾向にあり、生産調整を余儀なくされていた減産分が来期まとめて発注される」、金属製品製造業からは「半導体大手の台湾企業の熊本県への工場建設が決まり、調達が円滑になれば受注増が期待できる」との声もあった。
今回の特別調査のテーマは「2023年の経営見通し」。「国内の景気見通しは」では、作州地域は「良い」が19・2%(全国8・7%)、「悪い」が63・1%(同66・6%)でDIはマイナス43・9(同57・9)。「自社の業況見通しは」では、作州地域は「良い」が25%(全国12・4%)、「悪い」が35・2%(同44・8%)。「売上高増減見通しは」では、作州地域は「増加する」が39・8%(全国32・3%)、「減少する」24・2%(同27・2%)で、売上高見通しDIは作州地域がプラス15・6(全国プラス5・0)。自社の経営リスクは何かでは「原材料・仕入価格のさらなる高騰」が最も高く作州地域は71%(全国79%)、次いで「エネルギー価格高騰」が48%(同41%)、「感染症の再拡大」が23%(31%)など。
同レポートは、3カ月ごとに信金職員が中小企業経営者から聞き取り調査して分析。今回は11月下旬〜12月上旬に244社を訪ねた。
メモ
【DI】「良い」と回答した企業数の割合(%)から、「悪い」と回答した企業数の割合(%)を差し引いた値。
つしん景況レポート44
- 2023年1月24日
- 経済・産業