岡山県津山市の愛染寺にあるソメイヨシノの老木のそばで、桜の花とつぼみが地面から顔をのぞかせている所が発見され、「枝ではなく土から桜の芽が出てきたのか?」と地域の話題になっている。
花は桜の大木の横で咲き、数輪がつぼみを膨らませている。形は小さくソメイヨシノと似ているものの、シバザクラのような生え方をしていることから豊福晃正住職(63)は「今までこんな桜を見たことがない」と驚いていた。
市森林組合の福田直樹参事は「桜は伐採しても根っこが枯れていない場合、切り株から若枝が生えてくることがある。この大木のそばには枝を生やした切り株があり、その上に土が被さってしまったことで地中から桜が生えたように見えるのでは」と推測。樹齢は50~80年、伐採すると菌が繁殖して枯れてしまうソメイヨシノでも、適切な湿度や土壌に含まれる高い栄養などの良い条件が重なると強い生命力を見せることもあるという。
豊福住職は「植物は人の理解を超えるほどすごい力を持っていると改めて感じた。檀家の人たちから親しまれている桜の老木とともにこの小さな花も大切にしていきたい」と語っていた。
