「感謝の気持ちしかありません」―。
岡山県苫田郡鏡野町富西谷で、「富風窯」と名付けられた陶芸用の窯が完成しようとしている。「白賀渓谷の絵を描きたい」と3年前に岡山県倉敷市から移住した小椋智史さん(40)の希望を地域住民が叶えた。
総社南高校美術工芸系で油絵を専攻。卵などを混ぜた絵具を使う「テンペラ画」の絵描きだ。フランスで3カ月間、美術館めぐりをした際「西洋の絵画文化の厚みに圧倒された。大きな転機になった」。
「日本人の美的感覚の根本は自然に対する畏敬の念にある」と考え、自然豊かな移住先を探していたとき「白賀渓谷」と出合った。
陶芸歴は約20年。「お金も技術もないないづくしのなか、夢のような話。しっかり活用して恩返ししたい」。
ひと散歩みち 小椋智史さん(40)/岡山・鏡野町
- 2020年8月21日
- ひと