足長おじさんか、伊達直人か――。新型コロナウイルス感染対策で入手困難になっているマスクが岡山県津山市二宮の児童養護施設・わかば園に29日、匿名で届いた。「自分のことで精いっぱいな中、子どもたちに心を配っていただき大変ありがたい」と思わぬ善意に感謝しきりだ。
29日午前7時前に職員が出勤した際、門扉の内側に紙袋が置かれているのを見つけた。中には50枚入りの不織布マスク5箱と除菌スプレー1本(380ミリリットル)、1枚の便せんに「マスク使って下さい。コロナに負けないように頑張ってくださいね」と書かれた手紙が添えられていた。同日5時半に宿直職員が見回りをした際には見つかっておらず、早朝1時間半ほどの時間帯に置いたとみられる。
同園では小学生から高校生まで10人が暮らし、職員は14人。現在同園では、使い捨てと布マスクを洗濯しながら使っており、松田浩一郎園長(57)は「子どもたちには学校にも行けず、室内で窮屈な生活になっているが、こうして見守っている人もいるという優しさ、温かさをしっかりと伝えたい」と話していた。
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わかば園に届いたマスク
わかば園にマスクが匿名で届く/岡山・津山市
- 2020年5月1日
- 医療・福祉