岡山県久米郡久米南町のJR弓削駅舎内にある、誕生寺支援学校のアンテナショップ「野の花ショップ~夢元(ゆげ)~」が今月、2013年の開設から10周年を迎えた。店員を務める生徒たちの笑顔と元気が地域のにぎわいづくりに貢献している。
高等部を中心とする生徒たちの販売や接客の実習を通して自立と社会参加につなげようと、駅舎を活用して開設。火曜日と木曜日の週2日開店し、毎回、午前10時のオープンと同時に多くの人たちがやって来る。
コロナ禍による一時閉店もあったが、これまでに2万7500人が来店し、地域と生徒の交流、住民の憩いの場として親しまれている。多い日には1日60人が訪れるという。
店頭に並ぶのは、生徒たちが授業で作った花の苗や野菜、焼き物など。店内には喫茶コーナーもあり、コーヒー、紅茶、焼き菓子のセットを楽しめる。
「いらっしゃいませ!」「ありがとうございました!」。接客に励む生徒たちの明るい声が響き、レジ打ちもこなす。地元の70代の男性は「生徒たちの笑顔を見ると、こっちも元気が出る」と話す。昼食時には地域のボランティアが手伝っており、毎回参加する女性は「生徒たちの成長がうれしい」と目を細める。
「おいしかった」「頑張ってるね」といった来店客の声が一番の励みで、「これからも元気なあいさつを心がけ、たくさんのお客さんを迎えたい」と決意を新たにする生徒たち。同校では「今後も地域とつながりながら、多くの人に愛される店づくりをしていきたい」としている。