B’z凱旋コンサートに思いを寄せて|おかえり稲葉さん2017
岡山県津山市川崎にあるB’z稲葉浩志さんの実家「イナバ化粧品店」に6月10日、多くの花が寄せられ、まるで花屋のようになった。全国からB’zファンが集まり、同店主で稲葉さんの母・邦子さん(80)の誕生日を祝った。
「きっかけはB’zだけど、ここでイナママのファンになった人は多い。みんな、ママに会いに来る」そう話すのは、大阪府から来ていた看護師・飯降薫さん(56)。
デビュー当時からのファンで、10年ほど前から毎月津山に来るようになったという。「ママは自分のお母さんみたい。津山に里帰りしている感じ」とは静岡県の会社員・後藤沙織さん(37)。
女性ばかりではない。4回目の来津だという三重県の会社員・田原諒一さん(31)は「お母さんがすごく魅力的でフレンドリー。津山のことも、好きになった」と話す。
赤磐市の会社員・佐藤義則さん(53)は「化粧品店なので男の自分には最初は抵抗があったが、メンズもあるし、とにかくお母さんに会うのが楽しみ」という。
邦子さんの誕生日のほか母の日、父の日にも花が届く。これらの日には稲葉さん本人からの花も届き、ファンの間ではどんな花が届くかも感心事だ。本人の誕生日である9月23日も花が寄せられる。イナパパとしてやはりファンから親しまれていた夫・一夫さんの、今年4月15日の一周忌も、お供えの花が多く届いた。
・ ・ ・
「息子の大好きな津山をそのまま残してやりたい」――。
そんな邦子さんの思いから、店内は昔のままだ。その一角に、ファンのためのスペースを設けている。B’zのツアーグッズなどファン垂涎(すいぜん)のアイテムが並ぶなか、テーブルの上には663冊目になるファンのための大きな寄せ書き帳が置かれている。
テーブルのわきには今年4月12日付の稲葉さん直筆のサインと、その場で書いたことを証明する自身の写真が張ってある。添えられているメッセージは、ファンに対する愛情のこもった感謝の言葉。
稲葉さんが帰省するたびに張り替えられる色紙を見るのも、ファンの楽しみの一つ。「ここは、稲葉さんのファンへの愛情を感じられる場所。帰省するたびにサイン帳を見ていると聞いています。本人はいないけれど、稲葉さんに会える大切な場所」。山梨県の会社員・雨宮由貴さん(43)はそう話す。
・ ・ ・
邦子さんはB’zのツアーのたびに必ず1会場は訪れている。「津山公演ではどんなことを話すのか、今から楽しみ」といい、指折り数え、本番を待っている。
遠方から集まるファンたちを「家族のようなもの」という邦子さん。さまざまな愛情が詰まった「イナバ化粧品店」店内を見渡し、「浩志の津山公演を一番喜んでいるのは、お父さんだと思う」とほほ笑んだ。
関連記事