1998年の台風による水難から生還した「奇跡の子牛」として大きな話題となり、昨年1月に21歳で老衰死した「元気くん」のブロンズ像が飼育先だった勝央町岡のノースヴィレッジに設置され6日、除幕式が行われた。遺品などを展示した資料館も整備され、家族連れらが〝一周忌〟を迎えた人気者をしのんだ。
ブロンズ像は、金屋の石岡牧場から氾濫した吉井川の濁流にさらわれ、約90㌔離れた瀬戸内海の島に漂着した生後6カ月当時の姿をイメージして制作され、体長120㌢、高さ143㌢。町がクラウドファンディングと企業版ふるさと納税などで集まった寄付金846万円余りの大半を活用した。
資料館は休息スペースのウッドハウスを利用し、角や鼻輪といった遺品、美作女子大(現美作大)の学生が作った奇跡の物語の紙芝居などが展示され、飼育舎わきにあった「元気君神社」も移設。
像が据えられた花時計近くの広場での式には関係者や来園者約120人が参加した。
水嶋淳治町長が「奇跡的に生還し、牧場から贈られて21年間、人で言えば105歳まで生き、多くの来園者に元気と勇気をくれた。町のシンボル的存在として後世に語り継いでいきたい」とあいさつ。来賓らと除幕して祝い、訪れた親子連れらはさっそく像と記念写真を撮ったり、資料館を見学していた。
美作市豊国原の主婦(60)は「以前は娘と見に来た思い出があり、今日は孫と来た。これで奇跡がずっと伝えられていきますね」と話した。
元気君は昨年1月14日に寿命が尽き、交雑種では国内最高齢だった。
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設置された元気くんのブロンズ像に見入る親子連れら
ノースヴィレッジに「元気くん」のブロンズ像設置
- 2021年2月8日
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