岡山県津山市内の武道団体、観光業関係者ら有志で9月に立ち上げた「作州武道ツーリズム推進協議会」はインバウンド集客を図り、武道体験と観光を組み合わせた「武道ツーリズム」を企画。モニターツアーが10月29日から1週間の日程で行われ、アメリカ・ハワイから訪れた愛好家たちが日本の文化や市の歴史に触れながら旅を満喫している。
昨年12月に行われた「津山武道学園設立15周年記念武道祭」の参加を織り交ぜたスポーツツーリズムなどが好評だったのを踏まえ、観光商品化を試みて実施した。居合道合宿ツアーとした今回は、ハワイ剣道連盟居合道部の40〜70代男女5人が参加。岡山市建部町や倉敷市玉島で稽古や昇段試験に臨み、市内では神社や寺、城東地区といった観光スポットを巡る。
31日は、試験の合格祈願に中山神社を参拝。その後、難波酒造を訪ねて日本酒を試飲し、津山洋学資料館や津山城も見学した。難波酒造では難波秀之専務の説明に耳を傾けながら新酒を飲み、その味わいに感動した様子が見られた。さらに津山洋学資料館では展示品をじっくりと見て学びを深めた。
新しい発見を求めて参加を決めたというローリー・マキヤさん(50)、メルヴィン・ナイダスさん(50)は「私たちを迎え入れるために準備していただき、ありがたく思った。津山の人は親切で知り合えてとてもうれしい」「歴史を感じる神社や日本における西洋医学の先駆者たちの存在を知り、津山には特別な場所があるという発見につながった。故郷にいる多くの人たちにも見てもらいたい」と話していた。
一行は3日に玉島武道館で試験を受けた後、4日は城西地区や小田中の本源寺、5日は鏡野町の奥津渓などに訪れて帰国する予定。大林秀行同協議会長(73)=津山剣道連盟顧問=は「継続的に続けられるように企画を発展させ、県北への観光誘致や地域活性化につなげていきたい」と語っている。