バスケットボール男子Bリーグ3部(B3)のトライフープ岡山は、B2昇格に向けた熱い戦いを繰り広げている。津山市はホームタウンの一つになっており、観客たちはプロ選手の躍動感あふれるプレーにくぎ付けだ。後半戦に向け、チームはファンとともに勝利への気持ちを一層強くして「悲願達成」を目指す。
トライフープは2019年にBリーグに参戦。今季は山北の津山総合体育館(岡山県津山市)で6節(12試合)が組まれている。これまでに立川ダイス、ベルテックス静岡、横浜エクセレンス、ヴィアティン三重戦が行われた。現在16勝8敗の5位につける。
目の前で展開される豪快なダンクや華麗な3点シュート、敵陣を切り裂くドリブル―。第11節のヴィアティン三重戦を観戦した総社の奥埜貴之さん(57)=元教員=は「とにかく迫力がすごくておもしろい。プロの試合が津山で見られること自体うれしい」。岡山市から駆けつけた小学5年・三宅由季人君(11)は「自分もバスケをしているので、チームワークや連係がとても勉強になる。大きな目標に向かって頑張ってほしい」と目を輝かせる。
熱視線の中、コート上で攻守にわたって闘志をみなぎらせる選手たち。チーム全体の意識も高い。PGの前村雄大選手は「うちにスーパースターはいないが、激しいディフェンスからの攻撃など泥臭いプレーや負けたくないという気持ちを前面に出したチーム。ホームゲームでのみなさんの応援は心強く、一緒に戦う気持ちで観戦してほしい」と力を込める。
ダンスパフォーマンスで会場を熱く盛り上げて一体感を高めるのは、専属チアチーム「フープスターズ」。フィットネススタジオやダンススクールなどを手がける津山市の「Globe」のチアOPENクラスのメンバー7人で構成する。エネルギッシュなダンスと明るい笑顔でホームゲームを彩り、勝利へと導く。
リーダーでダンスインストラクターの岡林彩華さん(美作大学出身)は「選手たちが力を発揮できるよう、会場が一つになって応援できる雰囲気づくりを一番大切にしている。勝っている時も負けている時も心を一つにしてプレーできるよう、ともに戦っていきたい」と話す。
Globeチアキッズクラスの子どもたちも一緒に登場し、かわいいユニホームで元気いっぱい披露している。
16チームによるレギュラーシーズンは4月まで続き、津山では今後2月と3月に試合がある。トライフープのスクール(津山校)に通う林田小学校1年の春名岳君(7)は「B3で優勝して今年こそB2に上がってほしい。僕もプロになってトライフープでプレーしたい」と夢を膨らませる。
比留木謙司ヘッドコーチにB2昇格を目指す今後の戦いなどについて聞いた。
―今季のチームの特徴、長所は。
守備は昨年より良くなっているが、昇格するためのスタンダードには届いていない。攻撃ではインサイドに強みがあり、高い率で決められるシューター陣もそろった。若手も育ってきており、誰が出ても変わらないチーム力を体現できている。
―後半戦へ、何を強化するのか。
守備が最重要課題であり、失点を60点台後半に抑えたい。さらに磨きをかけ、自分たちの確固たるものにしなければならない。
―津山市民にメッセージを。
選手の顔と名前が覚えられ、浸透してきていることを感じている。トライフープは津山のためにも戦っている。これからも津山での試合があるので、岡山県全体として、津山総合体育館で、僕らの熱いプレーを見てほしい。