パナソニックホールディングス(HD、大阪府門真市)傘下のパナソニックコネクト(東京都)は2日、録画用ブルーレイディスクなどを製造してきた岡山県津山市草加部の津山工場を来年3月末をめどに閉鎖すると発表した。光ディスク事業の再編に伴う措置で、すでに操業停止しており、従業員の大半はグループ企業に配置転換している。
IT事業などを展開する同社の新家伸浩執行役員ヴァイスプレジデントらが津山工場で会見。今年2月に一般消費者向けのブルーレイディスクの生産を終了し、データセンター向けのアーカイバルディスク事業については昨年11月、同HDの中国子会社に移管したことを説明した。
「高品質な製品を製造し、パナソニック全体のメディア事業を支えてきたが、残念ながら終息せざるを得ない。44年間続けられたのは地元の支えがあったからこそで感謝している」と述べた。
津山工場は1979年、松下電器産業(現パナソニックHD)の子会社によるVHSビデオテープの工場として操業開始。13万平方メートルの敷地に工場棟5棟延べ約6万3000平方メートルがあり、最盛期の1995年には800人を超える従業員が勤務。2006年から手掛けたブルーレイディスクは累計約4億枚を生産したが、動画配信サービスの普及により需要が低迷して今年6月、生産業務を停止した。跡地は社業外を含む多方面での活用を検討中。
人員整理を開始した昨年10月時点で127人いた従業員の約9割は津山市と周辺の在住者。これまでに92人は県内外のグループ企業に配置転換し、13人は退職。22人は転職を希望し、サポートをしているという。
同工場閉鎖の発表を受け、谷口圭三市長は「非常に残念だが、長年にわたり地域経済をけん引する礎となっていただき、心よりお礼を申し上げる。今後の工場活用については企業立地に結びつくよう協力し、従業員の再就職についても必要に応じて支援したい」としている。