ファイバーアートの第一人者として国内外で高く評価されている草間喆雄さん(79)=赤磐市=の展示会「糸と色彩・新しい表現への試み」が24日から、岡山県津山市川崎のポート・アート&デザイン津山で開かれている。美しい自然現象と四季の移り変わりからインスピレーションを得たという、独自の技法で紡いだ色鮮やかな“小宇宙”が見る人々に深い感動を与えている。
2000年以降に制作した、幅広い表現の大小約80点を展示するインスタレーション。
精巧で流れるような糸の使い方と、鮮明で豊かな色彩が特徴的。草間さんは糸を織り込む独自の技法を開発し、自然現象をモチーフにした作品を創り上げている。太陽が沈む際のはかない輝きや、陽光に光る力強い川の流れ、夏の激しい雨の後の虹や蜃気楼(しんきろう)、静と動のはざまでせめぎ合う地平線などの自然のエッセンスを捉えている。
小さなフェルトを重ねたり、時計やネックレスなど日用品に仕上げたりした愛らしいものもあり、大正時代の銀行建築と響き合う空間が拡がっている。飯綱洋平館長は「発色と造形が素晴らしく、自然界の現象を見事に作品に落とし込んでいる。唯一無二の技法で紡がれた世界をぜひご覧いただきたい」と話している。
展示会は6月15日まで。1日午後1~4時、ワークショップ「糸でコースターを作ろう」を開催。参加費1000円、予約不要、定員10人。8日午後2~3時、作家によるギャラリートーク。
