高校美術教諭の傍ら作家活動を続けた勝央町出身の画家・植月英俊さん(1950〜2016)の回顧展「sincere」が、川崎のポート・アート&デザイン津山で開かれている。未発表など170点を展示し、人生をささげた画業を紹介している。5日まで。
植月さんは多摩美術大を卒業。総社南高で美術工芸系の創設に携わり、津山高では美術部を全国高校総合文化祭の常練に育てた。退職後、制作のために広島県尾道市に移住し、13年に古里に戻ったが16年に惜しまれつつこの世を去った。
展示作品は、油彩を中心に水彩やアクリル、デッサンなどがある。どこか寂しげで物言いたげな目をしている少女たちは、鮮やかな色をまとう時もあれば、何もない静寂の中に潜んでいるように見える。描写が細密なだけでなく、トーンを抑えた独特の色使いや非日常的な雰囲気が目を引く。
スタッフの女性は「色々なタイプの作品を描かれていて興味深い。教え子たちが作者はこんな人だったと話すこともあり、いっそう一つ一つの作品について考えさせられる。作品を通じて同じように感性を研ぎ澄ませ、思いを巡らせてほしい」としている。
午前10〜午後6時。毎週火曜休館。入場無料。
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足をとめ、作品に見入る来場者
ポート津山 勝央町出身の植月さん「sincere」回顧展
- 2022年6月2日
- 芸術