岡山県鏡野町富西谷の山あいの地形を利用したマイクロ水力発電機を、同県倉敷市の堤孝雄さん(82)らが製作し、設置した。お披露目として3日、設置場所の民家前で地域住民が発電で加温した足湯を満喫した。
堤さんらは「岡山エネルギーの未来を考える会」に所属し、県内各地で地球温暖化防止や自然エネルギーの重要性を啓発。水車による発電の実証実験にも力を入れており、今回は廃材などを使って直径約35センチの1台を製作した。「富西谷マイクロ水力発電所」と名付け、県道65号沿いを流れる余川から水を引いた農業用水を活用して稼働させている。
標高約620メートルに位置する取水口から水路管を通る仕組みで、落差約12・5メートルを流れ落ちる水の力により機器内部のステンレス製の水車2台が回転。270ワットの電力により水が約45度まで温められる。訪れた人たちは用水路の水でおけの中の湯を調整しながらゆっくり浸かっていた。
小椋己代子さん(78)は「とても心地よかった。ぜひ多くの人に体験してもらいたい」と笑顔で話した。足湯は無料で開放している。
場所を提供した小椋光夫さん(81)は「省エネや地球環境保全に大きく貢献できる開発だと思う」。堤さんは「家庭の風呂を沸かせるなど、今後も改良を加えたものを作っていく。目指すのは自然エネルギーを活用してみんなの生活を楽にすることで頑張っていきたい」と語っている。