持続可能な地域を目指し、生ごみなどから農業に使う液体肥料を製造する岡山県真庭市の取り組みが、環境省の「都市間連携事業」に採択され、インドネシアで実現可能性調査が行われることになった。これに伴い13日、南スラウェシ州マカッサル市の視察団が同市を訪れ、太田昇市長らと意見交換した。
同市では家庭から出る生ごみなどからバイオ液肥を作り、市民や農家に活用してもらう取り組みを推進。2025年1月には建設中の「生ごみ等資源化施設・バイオ液肥濃縮施設」が本格稼働する。これに向け、市内一部で実施してきた生ごみの分別を市内全域に順次拡大している。
日本の先進的な脱炭素の取り組みを途上国にも広げる同省の事業に採択され、国立ハサヌディン大学を実証場所として可能性調査が行われることになった。実施にあたり、マカッサル市と在大阪インドネシア総領事館から関係者約10人が久世の市役所を訪問。太田昇市長が「マカッサル市で実証が始まることをうれしく思う。取り組みが成功するために最大限の国際協力をしていきたい」とあいさつした。
マカッサル市は人口約140万人のインドネシア東部地域最大の都市。地方開発企画庁のアンディ・ズルキフリ・ナンダ長官は「真庭市のゼロカーボンシティに向けた取り組みと、市民参加の啓発などを学びたい」と述べた。
真庭市の担当職員が▽生ごみを分別、資源化し、可燃ごみを減らすことで焼却施設の集約化によるごみ処理コストの削減▽化石燃料の使用削減による二酸化炭素排出量の削減▽液肥の農業への活用による低コスト、循環する農業の実現―といったメリットを説明。
マカッサル市側からは「生ごみ収集で混ぜてはいけないものが入っていた場合の罰則は」「具体的にどのようにして収集しているのか」といった質問が出され、活発に意見交換した。