美術家・しばたゆりさん(大阪府豊中市)の個展「マテリアルカラーズ」が岡山県津山市川崎のポート・アート&デザイン津山で開かれ、植物や静物など実際のモチーフを顔料にして描いた独特の絵画に来場者が見入っている。14日まで。
近作約50点を出展。杉板に描いたツツジ、ヒガンバナ、ヤマイモ、シダといった植物は、リアルなタッチと花や葉の粉末による自然な色合い、波紋のような木目も相まって深い味わいを醸す。
鏡やブーメラン、木琴、パレットなどの静物画はそれぞれをやすりで削った粉を使い、わきに現物も並べて微妙な風合いの再現が感じられる。さらにヤギと梅の木の屏風絵でも、刻んだ体毛と樹皮による表現に生命感が漂う。
香川県高松市の会社員女性(31)は「植物は素材由来だけあって色彩がとても自然で美しく、木目を生かした発想もいい。静物画も面白く、思わず顔を寄せて凝視してしまいますね」と話していた。