藩政時代の受刑者の供養塔で知られる川崎の三界萬霊塔(通称・千人塚)の彼岸の法要が23日、同所で営まれ、地域住民らが霊を慰めた。
コロナの影響で規模を縮小し、千人塚護持会や町内会の人ら約30人が参列した。国分寺の田中孝楓住職が読経するなか焼香。同会の片山恭司会長(89)が「先輩から受け継いできた法要を途絶えさせてはならないという思いで続け、厳粛な法要ができて良かった。来年はコロナが収まり、再び大勢の人が集える法要にしたい」とあいさつした。
千人塚は1790(寛政2)年に建立。1926年には、因美線工事中に多くの人骨が出土し納骨式を実施した。45年の加茂川の氾らんで碑の行方が分からなくなり、その後発見されて81年に現在の新兼田橋南側に再建。2006年には台風で倒壊したお堂を再建立した。春の彼岸とともに毎年法要を執り行っている。
p
供養塔の前で焼香する参列者