岡山県津山市教委は不登校支援の一環として、学校に行きづらさを感じている小学生がいる保護者たちが語り合う「おやとおやの会」を開いている。同じ悩みや不安を抱える親たちが交流を通して情報交換し合うほか、関係する相談機関とのつながりをつくる場としても活用している。
昨年度1月から3月にかけて試験的に行い、本年度から本格的に運営を開始。下学年(1~3年生)と上学年(4~6年)のクラスに分かれ、各クラス全3回の日程で実施し、各回2時間、スクールカウンセラーやソーシャルワーカー、津山市教育相談センター鶴山塾の職員らが子どもの進学や対人関係の悩みから家庭内の課題や育児までさまざまな相談に対応。託児サービスもあり、さらに会場では参加者同士がコーヒーなどを手に、談笑できるアットホームな空間を大切にしている。
参加者の中には過去の経験を生かして手助けをしたいという人もおり、学校以外にもある子どもたちの居場所に関する情報の共有を行うといった助け合いの場にもなっている。担当の大谷良子指導主事は「周囲に同じ悩みを抱えている家庭が無く、相談できずに悩んでいた人もいて、『出会えてよかった』という声もいただいている」と言う。
託児サービスでは保育士や教職員を目指す美作大学の学生ボランティアも協力しており、預かった子どもたちがのびのびと過ごせるように工夫を凝らしている。ボランティアとして参加している同大児童学科4年の藤原壮太さん(22)と千光士晶さん(22)は「学校に行くことがつらいと感じる子どもたちは不安や緊張を抱えていると思う。ストレスを発散させて楽しんでもらえたら」と話す。
31日は午後7時から川崎の東公民館で、上学年保護者のクラス会を実施するほか、来年度も同様に会を開催するとしている。大谷さんは「悩みや不安、心配事を抱えている人たちが課題解決に向けて一歩踏み出せるように寄り添い、支援を続けていきたい」と語っていた。
申し込み、問い合わせは、市教委教育相談電話(TEL:0868-32-2124)。