“世界に一枚だけの卒業証書”づくり 伝統を伝承 横野和紙を使用/岡山・津山市

教育・保育・学校 集中して作業に取り組む児童=岡山県津山市で
集中して作業に取り組む児童=岡山県津山市で
         

 高田小学校(岡山県津山市下横野)の6年生19人が2日、上横野の上田手漉(すき)和紙工場で、地元の伝統工芸品・横野和紙を使った”世界に一枚だけの卒業証書づくりにはげんだ。

 児童たちは工房の7代目・上田康正さん(59)の指導を受けながら、手漉き紙製法の一つ「流し漉き」に挑戦。竹簀(たけす)が敷かれた「桁(けた)」を持ち、砕いたミツマタと同校5年生が栽培したトロロアオイの液体を混ぜた「紙素」が入った漉き舟の中に入れて、ミツマタの繊維をすくい取り、上手に絡まるように動かした。

 丁寧さが求められる作業で、子どもたちは静かに上田さんのアドバイスに耳を傾け、集中して取り組んでいた。黒岩建心君(12)と田中天晴君(12)は「紙の形がくずれやすくて難しかったけど、教えてもらったとおりに頑張ったから良い紙ができたと思う」「自分で作ると愛着がわいてくる。卒業するのは少し寂しさを感じるけど、ほかに無い高田小だけの特別な証書を受け取れるのはうれしい」と話していた。

 同校では地域の伝統を伝承していくのを目的に学びを深めており、2006年度から横野和紙を活用した証書づくりを行っている。和紙は約1週間乾燥させて完成した後、植月美穂校長が卒業生の名前を書き入れ、来年3月19日に予定している卒業式で手渡す。

子どもたち自身が漉いた和紙
子どもたち自身が漉いた和紙

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