大規模災害発生の際に県境を越えて被災地に駆け付ける緊急消防援助隊の本年度中国・四国ブロック合同訓練が28、29の両日、岡山県苫田郡鏡野町の苫田ダム周辺をメイン会場に開かれた。各県の消防をはじめ県警、自衛隊、海上保安庁、災害派遣医療チーム(DMAT)、地元消防団や関係民間企業・団体から約1000人が参加し、連携強化を目指した。県北開催は初めて。
県北を震源とするマグニチュード6.8の大地震が発生し、震度6弱の激しい揺れが観測された想定で行われた。消防車両約150台、ヘリコプター12機の援助隊が集結した。
土砂災害からの救出やがれき、被災車両の撤去、化学剤のNBC災害対応訓練、座屈したビル内に取り残された負傷者の救助、各県大隊救急隊とおかやまDMATが連携した救護所設定、ヘリコプターによる孤立した家屋からの救助、山岳救助訓練などを実施した。
訓練終了式では津山圏域消防組合管理者・谷口圭三津山市長が「近年では毎年のように豪雨災害や地震が全国で発生している。防災力の向上だけではなく、速やかな復旧復興を実現する力であるレジリエンスを高めていくことが必要。機動力ある訓練を大変心強く思った」と述べた。
訓練は総務省消防庁などが主催し、毎年各県持ち回りで開催されている。