現代美術家・中西學さん(61)=大阪市=の個展が川崎のポート アート&デザイン津山で開かれ、日本古来の染色技法「墨流し」を用いたミクストメディアなどの意欲作が来場者の注目を集めている。2月2日まで。
美術界で1980年代に頭角を現し、独自の作風を模索し続ける中西さんが、「変化する現象」をテーマに宇宙の生成や生命の根源などを表現した80点を出展。
アクリル系絵の具などを用いたミクストメディアは、意図した色合いに墨流しで偶然できた模様のゆらぎやにじみが美しく、画面に奥行きを感じさせとともに、さまざまなイメージを想起させる。
一方、強化プラスチックを使った造形に墨流し技法で着彩した斬新な作、自身が感銘を受けたオーロラを表現した吹きガラスの造形も並ぶ。
山下の杉山和美さん(65)は「墨流しの作は絵画としてもきれいだし、立体的に見えてくるから不思議。造形作品も面白い」と見入っていた。
16日には会場でアーティストトーク(午後2時〜)もある。
問い合わせは、ポート(☎201682)。
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墨流し技法によるミクストメディアに見入る来場者
中西學さん個展