本年度「津山市権利擁護セミナー」(津山市社会福祉協議会など主催)が19日、岡山県津山市山北の市総合福祉会館で開かれ、市民らがアドバンス・ケア・プランニング(人生会議、ACP)について理解を深めた。
ACPは最期の段階で患者の思いが尊重された医療やケアが行えるように、医療・福祉関係者らが本人とその家族らと話し合い真意を聞くなどして「意思決定支援」を行うプロセス。近年、介護や医療、福祉分野で重要性が強調されている。
講演には市民後見人や医療機関、介護福祉関係者ら60人が参加。岡山市にあるのぞみクリニックの小林豊院長とのぞみ介護支援センターの介護支援専門員・砂場真弓主任が講師を務めた。
砂場主任は80代のがん患者から相談を受けたケースなど主な事例を出しながら、具体的な取り組みの仕方を説明。「患者の人生観やアイデンティティーなどから感情をくみ取り、家族との状況を受け止めた上で、みなが納得した選択を決めるまで全力で見守り、支えていくのが大切」と語っていた。
その後、参加者は12グループに分かれて模擬相談を実施。「回復の見込めない延命治療」をテーマに、依頼人役の人から話を聞いて、考えが固まるように話を進めていた。