岡山県勝田郡奈義町は、昨冬の豪雪を受け、住民共助の対策に向けた「歩行型除雪機」を初導入し13日、要望のあった町内16地区の自主防災組織に貸し出した。集落周辺の生活道路などの除雪の効率化を目指す。
1月下旬の大寒波では50センチを超す積雪となり町道、各地区とも除雪作業が大幅に遅れたことから事業費(1039万円)を確保し、計18台を購入。10馬力のエンジンを搭載した除雪機で、両手の操作によりキャタピラで自走し、前面のオーガ(幅70センチ、高さ50センチ)が回転してかいた雪をブロワーで吹き飛ばす。
町役場駐車場での貸与式・説明会には約50人が参加し、奥正親町長が「今冬も災害級の大雪が降るかも知れず自助、共助により高齢者世帯の安心にもつなげたい。事故のないよう使用してほしい」とあいさつ。
取り扱い業者が操作の手順、50センチの深さまで一度に除雪できる性能、車両への積載などについて説明し、貸与された各自主防災組織の代表らが熱心に見聞きした。
宮内地区の粟井秀夫さん(68)は「操作性はよさそう。1月の寒波では70センチ積り、家周辺の雪かきにも難儀した。地区内で優先順位を決めて使い回せば、かなり助かると思う」と話した。