今春新規採用された岡山県津山市の小中学校教員を対象にした特別講演(市教委主催)が20日、津山市特別支援教育推進センターで開かれ、世界的に活躍する彫刻家・画家の武藤順九さん(70)=津山市=が「想像力だけは教えられないが、発想のきっかけをつくってあげることはできる」と語りかけた。
半世紀近くイタリアを制作拠点にする中で日本文化の特異性を再認識し、2015年から出身地の仙台、東京、京都など各地で展開する「お絵描き寺子屋」の取り組みを紹介。
「すずりですった墨には明暗、濃淡の美しさがあり、日本人特有の感性を育む伝統文化。題材を与えて考えさせることが大切で、子どもは十人十色、驚きの発想も見せてくれる」と実感を込め、10日に市内で開いた様子をスライドで見せた。
内外で高く評価されている生命をテーマにした大理石彫刻、コロナ禍で制限されている制作活動の現状、教師だった両親の思い出にもふれ、グローバル社会を見据えた教育の必要性に言及。
熱心に聞き入る教員25人に「世界に出ていった時、自国の文化を誇れなければ通用しない。子どもは出会った先生によって大きく変わる。己を知り、愛情を持って伝えること」とメッセージをおくった。
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武藤さんの想像力を育む取り組みについて聞く新人教員たち
今春新規採用された津山市の小中学校教員を対象に特別講演、彫刻家・画家の武藤順九さん/岡山・津山市
- 2020年8月21日
- 教育・保育・学校