企画展「鶴田藩医能勢家資料展〜維新の荒波を越えた漢方医の生涯〜」が岡山県津山市西新町の津山洋学資料館で開かれ、幕末から明治初期に美作地域で医師、教育者として生きた能勢道仙(1833〜78)らにまつわる資料が来場者の興味を引いている。2023年2月19日まで。
第二次長州戦争(1866年)で攻撃を受け、所領のあった作州に敗走した浜田藩(後の鶴田藩)の藩医を務めた道仙にスポットを当て、有志からの寄贈などで昨年収蔵した資料約40点を展示。
1869(明治2)年まで藩医を務めて筆写、収集した医学書、神代村(現津山市神代)に移り住んだころに詠んだ漢詩、76年(明治9)に県へ提出した医業の届出、同年創設した漢学塾「猶興舎(ゆうこうしゃ)」の講学趣旨や名簿などが並ぶ。さらに羽仁村(現美咲町羽仁)に居を構えて小学校教師も務める中、刊行した子ども向け教本『童子謡全』、長男の能勢萬がまとめた道仙の書籍目録のほか、司法官となった萬の功績、交流も紹介。
同館では「激動する時代の波を乗り越えながら、美作地域の医療や教育に尽力した道仙について広く知ってもらいたい」としている。
午前9時〜午後5時。月曜日休館。入館料一般300円、高校・大学生200円、小中学生無料。
問い合わせは、同館(☎0868-23-3324)。
企画展「鶴田藩医能勢家資料展〜維新の荒波を越えた漢方医の生涯〜」