伊原木隆太岡山県知事は4日、美作高校=岡山県津山市=が文部科学省の指定を受けて中四国の高校で初めて本年度開設した「学びの多様化学校(不登校特例校)」のBloom(ブルーム)コースを視察した。
学びの多様化学校は、不登校の状態にある児童・生徒の実態に配慮した教育課程を編成し、学習指導要領にとらわれない教育を実施。美作高の同コースは全日制普通科として新設し、1期生22人(男子10人、女子12人)が入学している。
仲田智子教頭から▽美作地域でのフィールドワークによる体験・研究・発表▽自身の強みや特徴を知り、主体性を高めるキャリアデザイン▽コミュニケーション能力を育むソーシャルスキルトレーニング▽安心できる学習環境―など特徴的な設定科目や教育方針について説明を受けた後、授業の様子を視察。
ゲームを交えて生き生きとコミュニケーションのトレーニングをしていた生徒たちに「この2カ月でよかったと思うことは」と問いかけると、「ここに来てからいろいろな人と話せるようになり、自信がついた」「さまざまなことに挑戦しやすい環境がうれしい」といった思いが聞かれた。
終了後、伊原木知事は「中学時代に不登校だった生徒さんが、教育環境を変えることでこんなに元気に、前向きになれるんだと感心した」と述べた。
同席した藤原修己美作学園理事長は「不登校の問題が多様化する中、“大きな実験”を知事に見てもらえたことはうれしい」と話した。