今年に入り、火災による死者が多く発生しているとして、津山圏域消防組合=岡山県津山市=は、「火災特別警戒」を実施している。いち早く火災を知らせる「住宅用火災警報器」の設置や、野焼きの際の事前届け出・消火準備など、住民に火災予防を強く呼びかけている。
同組合によると、今月9日現在で死者数が5人となり、過去10年(2014〜2023年)の平均の4人を4月の段階で上回った。津山市野村や林田、久米南町中籾で発生した建物火災のほか、同町上弓削の野焼きなど。亡くなった5人はいずれも65歳以上の高齢者で、建物内での逃げ遅れや野焼きによる着衣着火、火の取り扱い中の事故などだったという。
呼びかけの内容は▽火気の取り扱いへの注意と、火の元の点検▽住宅用火災警報器の取り付けと点検▽野焼きなどを行う際は消火の準備と消防署への届出が必要(用紙はホームページからのダウンロード可)▽風がある時は野焼きをしない―など。防災無線や火災情報メール、組合ホームページ、消防車両巡回などで広報を強化している。
特に、警報器は全ての住宅に設置が義務づけられており、寝室と寝室がある階の階段上部に取り付ける。ホームセンターでも購入可能だ。
このほか、延長コードの使い過ぎも熱がこもって出火の危険がある。
同組合は「逃げ遅れを防ぐためにも警報器の適切な設置、定期的な点検をお願いしたい。野焼きは届出の上、消火準備をして2人以上で行うなど十分注意してほしい。命が失われる悲惨な火災を防ぎましょう」としている。