岡山県勝田郡勝央町の住民互助による介護予防を考えるワークショップ「薬膳からはじめる介護予防」が19日、勝央町平の町総合保健福祉センターで開かれ、中国伝統医学「中医学」を参考に体を健康に保つ食事について学んだ。
自助、互助、共助の観点から要介護状態の発生を防ぐ仕組みや組織づくりの意識付けを行おうと実施。防止には「運動」「栄養」「社会参加」が必要とし、今回は管理栄養士で倉敷市の健康教室「壽桃」主宰・田中まりさんが、身近で手に入る食材の栄養素を活かした健康について講義を行った。
田中さんは「中国では万物には相反する性質を持つ気『陰』と『陽』があり、この2つのバランスが整っている状態を『中庸』と呼ぶ。体に例えると中庸は健康的な状態。薬膳は傾いた気の流れを元に戻す役割があり、体調と食材の特性を見て食事をとる」と強調。
体を温める食材と冷やす食材がそれぞれあると説明した上で、「体の熱をとるナスを使う場合、冷えが気になる人は乾燥ショウガパウダーやトウガラシを使うことで緩和させる」などと紹介していた。
勝央町東吉田の植野光惠さん(80)は「薬膳は専門的で難しいのではと思っていたけど、普段の食事で体調を整えることができることに気づいた」と話していた。
この後は倉敷市の食育推進ボランティア「シニア世代のサバイバル男料理の会」による活動紹介もあった。