作州絣保存会、独自の「手織り作州絣」製造者認定制度を創設

経済・産業 作州絣保存会、独自の「手織り作州絣」製造者認定制度を創設
         

 県郷土伝統的工芸品「手織り作州絣(かすり)」の継承に向け、作州絣保存会(日名川茂美会長)が独自の製造者認定制度を創設した。皮切りとして23日、これまで織り手として修練を重ねてきた津山市内外の女性会員7人を認定する。
 「作州絣を育てる会」として2010年結成した同会では、12年から吉田公之介鳥取短大絣美術館長を講師に迎えて「織り人養成講座」を西今町の作州民芸館で開き、希望者を募りながら担い手を育成。会結成以前から織り手が一時途絶えた同絣の復活に取り組む日名川会長(65)=美咲町打穴中=は12年、正式な製造者として県に認定されており現在、会員34人がいる。
 認定制度は、習熟した会員に職人としてお墨付きを与え、後進育成の強化を図る狙いで、認定基準として▽絣織物の技能を十分に習得し、すべての工程を適切に指導できる▽作州絣や津山地域の織物の歴史を理解し、伝えられる―など7項目で日名川会長が総合的に90点以上と採点した人。初回は県内の40〜60代の女性を認定し、県にも登録される。7人には認定書と各自の工房に掛ける木製の札を授与する。
 作州絣は、紺地に多様な絵柄を配した素朴な綿織物。明治期からの歴史を持ち、昭和30年代には年間約5万反が出荷されたが時代の流れで衰退し1997(平成9)年、大一織物の杉原博氏が他界して途絶えた経緯がある。
 日名川会長は「当初の目的としてきた復興の道筋がつき、養成講座も今春10期生を迎える。認定された会員たちが職人としてさらに腕を磨き、作州絣が連綿と受け継がれていくために指導者としても励んでもらいたい」と話している。

手織り作州絣製造者の認定制度を創設した保存会の日名川会長


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