落合文化協会の文化講演会が16日、岡山県真庭市落合垂水の落合総合センターで開かれ、市民ら約300人が、重要無形民俗文化財で江戸時代から親しまれている備中神楽の魅力に触れた。
備中神楽継承会代表の山田望さん(30)=高梁市=が「ようこそ備中神楽の世界へ」と題し講演し、同継承会のメンバー3人と素戔嗚命(すさのおのみこと)が酒に酔った大蛇(おろち)を退治する演目「八重垣の能」を披露した。
山田さんは備中神楽について、高梁市出身の国学者で神職の西林国橋(1764~1828年)が神話の要素を取り入れ創作した歴史や、全国的にも語りを多く含む神楽であることなどを紹介。八重垣の能では、太夫たちの機知に富んだ巧みな語り口と美しい舞が会場を沸かせていた。
真庭市落合垂水の先原美代子さん(75)は「解説を聞いてから演目を見ることでより理解が深まった。最後に大蛇がのたうち回る姿は迫力がありますね」と話していた。
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