備前焼作家・岡安廣宗さん(64)=岡山県岡山市=の県北初個展が岡山県津山市川崎のポート・アート&デザイン津山で開かれ、伝統と革新の融合した異色の器が来場者を魅了している。28日まで。
人間国宝・故山本陶秀氏の弟子としての修業を経て、独自の作風を模索する岡安さんが近作約80点を出展。
5年前から手掛ける「備前アクア」の平鉢や抹茶茶わんは、焼き締めの火だすきの上にかけたアクアブルーの釉(ゆう)薬が器の中に深遠な景色を醸す。さらに黒地に星が輝く油滴天目、玉虫色の虹彩が浮かぶ茶わんも目を引く。
一方、備前本来の焼き締めによる大ぶりな花器は、女性やつぼみの曲線美、鳥のフォルムなどを表現した斬新な造形。
岡安さんは「備前アクアは海の蒼(あお)さをイメージし、数年の歳月をかけてたどり着いた。素朴な焼き締めと調和した新しい備前を県北の皆さんにぜひ見てほしい」とアピールしている。
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備前アクアの器と岡安さん
備前焼作家・岡安さんの県北初個展が開かれている/岡山・津山市