岡山県津山市出身のテキスタイル作家・小林泰子さん(44)の作品展「はるかぜ」が、津山市川崎のポート・アート&デザイン津山で開かれ、草木染めの絹糸と身近な自然の断片が織りなす小宇宙が来場者を魅了している。21日まで。
小林さんは、木の枝や葉などに草木染めを施した絹糸を丁寧に巻き付けたアートを制作。この世に一つしかない自然の造形美を艶やかに包み込んだ、優しい作風が特徴だ。
初雪から雪解けを経て、芽吹くまでを会場全体を使って表現。「はつゆきのころ」と題したインスタレーションは白を基調に空や土など自然のさまざまな色を光とともに織り込み、まるで「雪の妖精」が舞っているかのような風景を描き出した。
一方で「はるかぜ」はスオウでピンクに染めたシルクオーガンジ―とともに枝葉をふわりと浮かべ、きらめく春の光と風が吹き抜けていくかのよう。小林さんは「植物の愛らしい造形と草木染めの美しさ、シルクの光沢、そして光が織りなす優しい調和を感じていただけたら」と話していた。