広野小学校の6年生20人が12日、同校=岡山県津山市田熊=近くの戦没者慰霊塔前で慰霊祭を行い、遺族らと共に黙とうをささげて世界平和を祈った。
広野地区では日露戦争から太平洋戦争にかけて113人が戦死しており、地元の子どもたちに知ってもらおうと、平和学習の一環で実施。市遺族連合会広野支部長、同校学校運営協議会の委員、教職員が参列した。
児童たちは「多くの人々が犠牲になったことを知り、心が痛みました。悲しみや憎しみしか残さない戦争が世界中からなくなること、平和な世の中が永遠に続くことを心から願っています」との宣言文を読み上げた。
続いて全校児童で折った千羽鶴を供え、戦没者の名前が刻まれた慰霊塔に思いをはせた。
この後、参列した遺族や地元住民から自身や親族の戦争にまつわるエピソードを聞いた。
終戦した年に生まれた井上義信さん(80)=津山市福井=は、原爆投下後の広島で間接被爆し、その後戦死したおじの後継ぎとして祖父母宅で養子として育った。「実の親や妹たちと離れ離れになり、生きていくのが大変だった。何があっても戦争はしてはならない」と語りかけ、子どもたちは真剣な面持ちで聞いていた。
相川佑月(12)さんは「平和は当たり前ではない。お父さんやお母さん、周囲の人に感謝して日々を大切に過ごしたい」と話した。
