鶴山中2年の徹心会津山=岡山県津山市=所属・滝澤唯颯(いぶき)選手(14)が、空手大会で快進撃を続けている。全国トップクラスの選手がしのぎを削る国際大会・日本空手道井上派糸東流慶心会第2回井上杯では中学生男子型の部で3位に入賞し、全国トップ争いに名乗りを上げた。
滝澤選手は、全国中学生空手道選手権大会などの全国大会に県代表として3回出場を果たしているものの、初戦敗退が続いていた。
6月に島根県で開かれた第20回くにびき杯空手道選手権大会の中学生型の部は2連覇を果たした。組手の部では3位に入賞。井上杯は11カ国から約200人が参戦して7月22日に鳥取県で開かれた。滝澤選手はけがを負っていたものの、優勝した選手とは「差を感じた」といい悔しさをにじませる。「追いつきたい。追いつけるはず」と練習を重ねている。
指導する寿恵順治師範(76)は「全国に通用する逸材。だからこそ(井上杯の)試合結果は残念に思っている。空手に対する姿勢がいい。柔らかさと力強さを兼ね備えた選手になってほしい」と期待を寄せる。
寡黙で一見するとおっとりした印象だが、実は負けず嫌いの努力家。週2回の教室がない日は自主練に励んでいる。
尊敬する選手は東京五輪金メダリストの喜友名諒選手。「迫力があって、とてもかっこいいから」。「かっこいい」が厳しい練習にも耐える最大の原動力だ。
いまの目標は来春の全中選抜に出場して優勝争いに加わること。井上杯で敗北を喫した選手を念頭に「やっぱり勝ちたい」と力を込めた。