津山高校2年の渡邉芽衣さん(17)が、第42回「全国高校生ホームプロジェクトコンクール」(全国高校家庭クラブ連盟主催)で、特別賞(実践女子大学賞)に選ばれた。県外に単身赴任中の父の食生活改善のための健康レシピを提案するとともに、命を守る防災の取り組みを加えた研究内容が高く評価された。
タイトルは「家族の思いをのせて届けたい〜父の命と健康をまもるために〜」。父はイラン出身の外国人で、仕事のため埼玉県で一人暮らしをしている。健康診断の結果を見ると、脂質代謝・糖代謝の数値が悪く、血圧も高くなり、食生活や生活スタイルの改善が必要と分かった。
研究は2年間続けてきた。仕事が忙しい父が、電子レンジや炊飯器を使って短時間で作ることができ、長期保存できる缶詰を利用。「サバ缶炊き込みご飯」「サバ缶トマトパスタ」といったヘルシー料理を提案した。地元中学校の給食メニューの画像を送り、食べ物の組み合わせなど栄養バランスの大切さもアドバイスした。
地震の多い関東地方に住み、日本語の読み書きなども難しいため、防災面でも父をサポート。古着を再利用して防災バッグを手作りし、懐中電灯や避難場所で使う除菌グッズ・食料を入れたほか、緊急連絡先などを記したヘルプカードも付属させ、万が一に備えるようにした。
コンクールには全国から1386点(65校)の応募があった。渡邉さんの研究は「一人離れて暮らす父の健康回復と安全な暮らしのための試行錯誤の取り組みに、家族を守る切実な思いが感じられた」と評価された。
渡邉さんは「プロジェクトを通して父との会話も増え、家族の絆が深まった。今後、父の故郷の食文化も学び、これからも安心して健康に暮らせるサポートを続けていきたい」と喜びを語った。
p
特別賞の賞状を手にする渡邉さん