今年7月に長崎県で開催された全日本パワーリフティング選手権大会・第29回「ジャパンクラシックマスターズパワーリフティング」で、岡山県久米郡美咲町原田の大光智史選手(44)がマスターズⅠ、105キロ級の総合成績で3位に輝いた。「コロナ禍で休んでいた分、感覚を戻すのに苦労した。何とか記録を残し、表彰台に上がることができたのはうれしい」と喜びを語る。
大光さんは、アジアや世界大会で目覚ましい活躍を見せた石本直樹監督(津山市神戸)に師事し、競技歴18年を迎える期待のエース。身長172センチ、体重95キロと体格に恵まれ、過去に中国五県大会や全日本実業団の大会で優勝、2017年の「ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会」一般部門をはじめ、岩手国体(16年)、愛媛国体(17年)でも3位に入賞した経験を持つ。
今回の大会ではスクワット232.5キロ、ベンチプレス150キロ、デットリフト265キロのバーベルを持ち上げ、トータル647.5キロという好成績を収めた。しかし、自身としては悔いが残るという。
1種目3回の試技を行い、その中で最も重いのが記録として残る中、得意のデットリフトで2回、ベンチプレスで1回、失格を受け追い込まれるといった苦い経験をした。「精神的に苦しい中、休憩の間に息子や娘から『順位を気にせず、最後まであきらめないで戦ってほしい』という声援を受けて、気が楽になり持ち直せた」と当時を振り返る。
「力を過信した部分もある」と課題をとらえ現在も週に3回、ジムでトレーニングに励む。「基礎を見つめ直してフォームの修正と確実に目標に定めた重さのバーベルを持ち上げられるようにしたい」と来年の大会を見据えて闘志を燃やす。目標は3種目合わせて700キロの重量を超える記録を残し、国際大会出場を果たすこと。
石本監督は「子育てで大変な中、トレーニングをかかさず、高い成績を残すのはすごいこと。子どもを支えに頑張り、ぜひ世界で戦って来てほしい」と話している。
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