手すき和紙の産地で知られる岡山県津山市の上横野地区で、原料のミツマタを洗う「川ざらし」が今年も始まった。
上田手漉(すき)和紙工場では22日、横野川にある「さらし場」で7代目・上田康正さん(58)と妻の裕子さん(55)が冷水に足を入れ、繊維からアクや不純物などを洗い落していた。
冬は水中の雑菌が少なく、上質な和紙に仕上がるという。「水は冷たいほど澄むので、作業はしやすくなる。良い紙が作れるように励みたい」と康正さん。絞った樹皮は機械ですりつぶすなどして紙素(かみそ)となり、金沢市の伝統工芸品・金箔の保存や運搬に欠かせない箔合紙などになる。