町を挙げて子育て支援に取り組む岡山県久米郡美咲町は1日、町内の妊婦らを対象に母子の健康維持と元気な子どもの誕生を願って「葉酸サプリメント」を支給する事業を始めた。
葉酸はビタミンB群の一種で赤血球を作るのに大切な働きをし、貧血と動脈硬化を防ぐ効果があるといわれている。胎児の正常な発育においても重要な栄養素となり、摂取することで神経管閉鎖障害といった先天的な疾患のリスクを減らせると、期待が寄せられている。
この日、初めて事業を活用する30代女性が、同町原田の町役場に訪れ、栄養士の説明を聞き、75日分のサプリメントが入った容器を受け取った。
女性は「サプリメントを選ぶ中で迷っていたが、支援していただき、とても助かった」と語っていた。
青野高陽町長は「健やかな赤ちゃんが生まれるようにと願っている。妊娠中の母親と胎児が摂取する栄養の大切さについて男性たちにも理解を深めていただき、みんなで妊婦を支えて応援できるようにしていきたい」と話している。
本年度から母子手帳の交付を受けた人や、町役場で婚姻届を提出した人を対象に引き換え券を手渡しており、希望者は健康推進課の窓口で物品と交換できる。サプリメントは町が購入しており、無料で配布。婚姻届を提出した人は150日分、母子手帳の交付を受けた人は75日分を支給する。
