初の親子展 「窓と山水~光と時間の表現」 独特の表現と情景豊かな秀作/岡山・津山市

芸術 会場にならぶ泰司さんの秀作=岡山県津山市で
会場にならぶ泰司さんの秀作=岡山県津山市で
         

 岡山県津山市生まれの画家・山部泰司さん(66)=京都市=と娘の杏奈さん(28)による初の親子展「窓と山水~光と時間の表現」が18日、川崎のポート・アート&デザイン津山で始まり、独特の表現と個性が光る情景豊かな秀作が来館者たちを魅了している。3月23日まで。

 泰司さんは父親の仕事の関係で津山市に住み、小学校入学前に大阪に移住。20代のころには花や植物をイメージにした大作を作り上げ、前例にとらわれない個性ある若手作家たちを表す「関西ニューウェーブ」の一人として、80年代から関西地方の現代美術を席巻してきた。2023年には京都市文化功労者表彰、翌年には京都府文化賞功労賞を受けている。

 一方、杏奈さんは父親と同じ京都市立芸術大学院を卒業後、画業に勤しみ、自宅の窓辺の風景をモチーフにした作品を制作。京都日本画新展2024年で大賞に輝くなどの活躍を見せている。

 同展では2人合わせて近作41点を出展。泰司さんは昨年の「森の芸術祭」に合わせて訪れた衆楽園から着想を得てイメージした庭園風景の作品を発表。母親と散策した幼いころの記憶と照らし合わせながら、緑豊かな庭を描き出し、そこから大自然や宇宙へとイメージをつなげる意欲的な表現に挑戦している。

 杏奈さんは、白や青、緑色といった薄い色彩を重ね、窓から漏れるやわらかい光や空間の広がりなどを再現。鑑賞者と窓辺をつなぐアイテムとなる花や観葉植物の存在も目を引く。

 展覧会に合わせて2月15日はピアニストの当真伊都子さんの演奏に合わせたライブペイント、3月15、16日は缶バッチづくりを開催する。2人は「絵に興味のある人だけでなく、地元の子どもたちからお年寄りまでさまざまな人たちが集まって交流を深め、豊かな時間を過ごしてほしい」とPRしている。

おだやかな色彩が印象的な杏奈さんの意欲作
おだやかな色彩が印象的な杏奈さんの意欲作


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