岡山県津山市東新町の津山鶴山ホテルで22日、嵯峨御流華道津山司所(光岡道寛司所長)の創立100周年記念いけばな展が開かれ、節目を祝う多彩な作品が訪れた人の目を楽しませた。
次の世代へ受け継ごうと、テーマは「『承』更なる未来へ…」。師範以上の約80人が、伝承花から現代風の心粧華まで個性豊かな約80点を展示した。
色づく柿やウメモドキの赤い実、五葉松などを生けた大作の御所車をはじめ、ザクロの実やハイビャクシンなどを生けた十二律管といった秀作の数々が、季節感を漂わせて並んだ。
ツゲの木を赤く染め、ノイバラやイイギリの赤い実をあしらった「燃える命」をテーマにしたものなど、個々が花と向き合い、思いを注いだ作品が魅了。紅葉の散り景色、秋の風情をモダンに表現した作も会場を彩り、訪れた人たちは一点一点熱心に鑑賞していた。
津山司所は「今後も花の輪を広げ、人の和を培い、地域の文化活動にも積極的に参加して華道の発展に努めたい」と決意を新たにしている。