津山市連合町内会西苫田支部の自主防災・防犯連絡協議会は21日、美作大学体育館=岡山県津山市=で第8回防災訓練を実施し、支部内15町内会から住民ら約350人が参加した。大規模災害を想定し、避難や避難所運営、救命活動などの手順を確認した。
訓練は「ゲリラ豪雨で昭和池が決壊し、宮川が氾濫。土砂崩れが発生して一斉避難勧告が発令され、住民が体育館に避難する」という想定。参加者は受付で名札を記入後、班ごとに配置され、災害対策本部の設置や避難所の設営に取り組んだ。
防災士や消防団員の指導で簡易トイレやダンボールベッドを組み立て、パーティションでの区画整備にも挑戦。AEDを使った心肺蘇生法の訓練には各町内から4人ずつ計60人が参加し、消防署員や医師の指導で実践的に体験した。
開会にあたり、髙山康晴会長は「近年、異常気象が世界各地で頻発している。有事に備え、住民が主役となって自助・共助の力を高めることが大切。心を一つに訓練を重ねてほしい」と呼びかけた。加藤勝信財務大臣、谷口圭三市長らも出席し、地域の防災体制充実に期待を寄せた。
同支部は2016年度から、南海トラフ地震や那岐山断層帯の地震、豪雨による河川氾濫や土砂災害を想定した訓練を、コロナ禍の2年間を除き、ほぼ毎年行ってきた。今回は行政機関や教育機関、関連企業の関係者も加わり、地域ぐるみで実践した。
