勝央にほんご教室

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 コロナ禍による外国人の入国制限が緩和され、各地の企業が技能実習生の受け入れを再開したのに伴い、県北の日本語教室では外国人受講生たちの姿が戻ってきている。教室は、夢に向かって意欲的に勉学に励む人たちで活気づいている。
 勝央町内の企業で働く技能実習生らを対象に、無償で開講している「勝央にほんご教室」(勝央町勝間田)は新型コロナウイルスの影響下で、23人中14人が長期欠席に。感染拡大を懸念して実習生たちの行動に制限をかける企業もあり、受講生も方針で休まざるを得なかった。講師役を務める日本人を中心としたボランティア8人も待機を余儀なくされ、苦しい状況が続いた。
 その後、出張授業や企業に呼び込みをかけるなどの取り組みが功を奏し、先月22日にはベトナム人8人、インドネシア人5人が新たに入った。そのほかの受講生たちも徐々に出席するようになり、ボランティアたちとの会話に花を咲かせるなどしていた。現在は教室を分けるといった感染対策を徹底し、ボランティア13人がローテーションで対応している。
 勉強して1年目になるというベトナムのティン・ウェー・グェン・スアン・ティンさん(21)は「学ぶのは難しいが、おもしろい。特定技能資格を取るのが目標。日本に長く働けるようになりたい」と意気込んでいる。
 企業側は、人材確保のために積極的に日本語を学んでもらいたいとしている。今回教室に実習生たちを入れたリクシル社工場人事総務課の正木智之さんは「機械を扱う作業は危険が伴う。日本語を理解し、他者とのコミュニケーションをとるのは、本人の安全確保にもつながる。近くに教えてくれる教室があるのはとてもありがたい」と話した。
 しかし、感染が再拡大している「第7波」の中、関係者には期待と不安が入り混じる。同教室の運営は町内企業の援助でまかなわれていて、経済的に厳しい状況が続く。瀬尾朝子代表は「日本に来て何もわからず不安を抱える人たちの心の支えとしても続けたい」と言う。
 現在勝央町の会社に就職し、同教室のボランティアとして受講生のサポートを行うヴーキュアン・ダイさん(28)=ベトナム出身=は「日本に興味がわくような工夫をした授業がおもしろく、上達できたのも先生のおかげ。そのほかに、困った時も助けてくれるなどありがたかった」と教室の必要性を訴えた。

教室で日本語の勉強に励む技能実習生ら=勝央にほんご教室


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