勝央美術文学館のコレクション展「火星燃ゆ」が勝央町勝間田の同館で開かれ、郷土ゆかりの洋画家たちによる油彩の秀作が美術ファンらの目を楽しませている。6月27日まで。
同町出身の赤堀佐兵(1904―61)や水野恭子(1921―2013)ら7人の作品計22点を展示。
このうち独立美術協会で制作に励み、キュビズム(立体派)の影響を受けた赤堀の作では、古代の壁画を連想させる「獅子と鷹と」、樹木などを簡略化して大胆に表現した「風景」も目を引く。中央画壇の一線で活躍し、具象にイメージを織り交ぜた心象世界を表現した水野の「四月風景」「春枝」は、桜の巨樹がナイフタッチでダイナミックに描かれ、強い生命エネルギーを感じさせる。
さらにパリの広場の情景をモチーフにした「公園の人々」=故福島金一郎=、幻想的な色使いが印象的な「水門のある風景」=故高森明=なども並ぶ。
津山市の会社員女性(27)は「赤堀さんの作は、デフォルメされたモチーフが独特の味わい。水野さんの作は、大木の生命力が伝わってくるよう」と話していた。
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赤堀佐兵の油彩に見入る来館者
勝央美術文学館 コレクション展
- 2021年4月30日
- イベント