岡山県が2024年秋開催する「森の芸術祭 晴れの国・岡山」に参加する美術家2人が今月、会場となる岡山県北の市町に滞在して制作や地域交流、2年後に向けたリサーチ活動を進めている。
本番の盛り上げに向けた事業の一環として、イタリア人のジャコモ・ザガネッリさん(39)が岡山県津山市、東京を拠点にするAKI INOMATAさん(39)が岡山県勝田郡奈義町に滞在。
このうち生き物や自然との関わりをユニークに表現するINOMATAさんは11月5日、同町現代美術館でトークイベントを開催し、約30人が来場した。インスタレーション(空間美術)として特殊な3Dプリンターを使い、那岐山麓で撮影した雲の姿をグラスの透明な液体の中にミルクを注入して再現した最新作「昨日の空を思い出す」を紹介。
画像を見せながら「コロナ禍になって見上げる機会が多くなった空をすくい取って、コップに入れてみたいと思った。飲んでもらえる作品になればと考えている」と独自の発想をアピールした。透明樹脂で巻貝形の上に都市を表現した造形に、ヤドカリを住まわせる「やどかりに『やど』をわたしてみる」などこれまでの制作にもふれ、参加者は熱心に見聞きしていた。
INOMATAさんは11月9日まで滞在し、インスタグラムで制作を公開中。この日は同芸術祭「地域文化アドバイザー」を務める岸本和明同美術館長、館開設に関わった花房香さんとのてい談もあった。
一方、ザガネッリさんは11月6日、岡山県津山市二階町のINN―SECTでトークイベントを実施。11月27日にも予定している。
(写真)最新作を紹介するINOMATAさん
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