国道53号・津山南道路の整備に伴い、岡山県古代吉備文化財センターが発掘調査を行っている「高尾宮ノ前遺跡」(同県津山市高尾)で、古墳時代の箱式石棺1基、戦国時代と推定される柱穴などが検出された。
昨年度の調査区の西側丘陵を4月から発掘。箱式石棺は、石を箱形に並べて棺(ひつぎ)にしたもので、側壁と小口、天井石が残っていた。長さ約1・9メートル、幅約50センチあり、規模から成人を埋葬したとみられる。これから内部を調べ、副葬品の有無などを確かめる。ほかに周辺から、中世の可能性がある柱穴のような土坑も見つかっている。
一方、東側の調査区では戦国時代とみられる柱穴を数カ所確認した。昨年度の調査区で検出された柱穴の形状と似ているという。また造成土の中から、弥生土器の高杯(つき)、中世の勝間田焼の破片が出土した。
調査を担当する小林利晴総括副参事は「本年度の発掘はまだ始まったばかりだが、箱式石棺を検出するなど、これから本格化する。今後の調査に期待したい」としている。